HAクラスタとは

HAクラスタの概要やストレージ構成について紹介します。

目次

HAクラスタ概要

  • HAクラスタ」基本説明
  • 「フェイルオーバー」と「フェイルバック」
  • HAクラスタ構成ソフトウェア
  • HAクラスタ構成方式

HAクラスタのストレージ構成「共有ストレージ」と「レプリケーション」

  • 「共有ストレージ」構成
  • 「レプリケーション」構成

③DRBDによるPostgreSQL用HAクラスタ構築

  • DRBD+PacemakerでのPostgreSQL高可用性構成構築方法
  • DRBDとPostgreSQLレプリケーション—PacemakerのMaster/Slave構成の基本と事例紹介

①HAクラスタ概要

「HAクラスタ」基本説明

「HA(High Availability)クラスタ」とは、複数台のサーバを相互接続し連携構成(クラスタ)化することで、システムを冗長化させ、コンピュータシステム全体の可用性(アベイラビリティ)を高めることを目的としています。また、システム障害によるシステム停止時間を最短にする迅速復旧機能も含みます。

HAクラスタは、「ミッションクリティカルなデータベースシステム」「基幹業務システム」「商用Webサイト」など、高い信頼性が求められ、システム停止を避けなければならない環境で多く利用されます。

「フェイルオーバー」と「フェイルバック」

フェイルオーバー

HAクラスタでは、稼動中のアクティブサーバに障害が発生し、サービスを継続できなくなった場合に、自動的にスタンバイサーバへ処理を引き継ぐことで、システム全体としてのサービス提供機能を維持します。

この切り替え処理のことを「フェイルオーバー」と呼びます。

フェイルバック

フェイルオーバー後、現アクティブサーバ(元スタンバイサーバ)から、現スタンバイサーバ(元アクティブサーバ)へ処理を引き継ぐことを「フェイルバック」と呼びます。

HAクラスタ構成ソフトウェア

HAクラスタを構成するためのソフトウェアは、「HAクラスタソフトウェア」や「HAクラスタリングソフトウェア」などと呼ばれます。

HAクラスタソフトは、関連サーバ群を常に監視し、アクティブサーバに障害が発生した場合、スタンバイサーバへ切り替える処理を実行します。

HAクラスタ構成方式

(1)アクティブ/スタンバイ構成

「アクティブ/スタンバイ構成」は、HAクラスタ構成の中で、最もスタンダードな構成です。平常時は、サービスはアクティブサーバ上で動いていて、スタンバイサーバは待機状態になっています。

アクティブサーバに障害が発生した場合、アクティブサーバからスタンバイサーバへ処理を切り替えることで、サービスを継続する方式です。

(2)アクティブ/アクティブ構成

「アクティブ/アクティブ構成」は、2台のサーバが両方ともアクティブになっている状態です。平常時は、「サーバAでサービスAが稼働」「サーバBでサービスBが稼働」のように、それぞれ別のサービスを提供しています。

サーバAに障害が発生した場合、サーバAで稼働していたサービスAを、サーバBに引き継ぎます。この場合、サーバBがサービスAとサービスBの両方のサービスを提供します。

「(1)アクティブ/スタンバイ構成」でのスタンバイサーバを平常時にも稼働させることができるため、サーバリソースを有効に活用できるメリットがあります。

(3)N対1スタンバイ構成

「N対1スタンバイ構成」とは、平常時、N台のサーバでそれぞれサービスを稼働させて、その中のどれかのサーバに障害が発生した場合に、スタンバイサーバに引き継ぐ構成です。

ただし、「フェイルオーバー時にパフォーマンス劣化が生じやすい」というデメリットがあります。

参考元サイト

②HAクラスタのストレージ構成「共有ストレージ」と「レプリケーション」

HAクラスタにおけるストレージ構成には、「共有ストレージ」と「レプリケーション」の2種類に大別されます。クラスタソリューションの選択時において、どちらを選択するかについては考慮すべき重要な点となります。

それぞれのメリットとデメリットなどについて紹介します。

「共有ストレージ」構成

「共有ストレージ」構成とは

「共有ストレージ」構成とは、アクティブサーバとスタンバイサーバで同一ストレージを共有する構成です。

サーバA(アクティブ)に障害が発生した場合、サーバB(スタンバイ)に処理が切り替わりますが、サーバBもサーバAがアクセスしていた共有ストレージにアクセスを行います。

「共有ストレージ」構成のメリット

レプリケーション未対応アプリケーションへ対応可能

共有ストレージ構成にすることで、独自にレプリケーション機能を持たないアプリケーション(データベースなど)に対して、処理性能に影響を与えずに冗長化し、可用性を向上できます。

信頼性の高いフェイルオーバー

ストレージが1つのみであるため、フェイルオーバーの信頼性が高まります。

フェイルオーバー時のデータ不整合発生を軽減

ストレージが分散しているレプリケーション構成と比較した場合、共有ストレージ構成では、実データは1つの共有ストレージにのみ存在しているため、フェイルオーバー時のデータ不整合が発生するリスクを低減できます。

また、データ復旧のための時間が発生しません。

ネットワークスペックに影響されない

レプリケーションを行う必要がないため、ネットワークパフォーマンスに影響されません。

「共有ストレージ」構成のデメリット

高コスト

共有ストレージとして、高額なストレージハードウェアを用意する必要があるため、導入時コストが高額になる傾向があります。

クラウド(仮想環境)展開は不可

共有ストレージは、クラウドや仮想環境において使用できないため、オンプレミスからクラウドへの展開を行う場合などに制約が発生します。

アプリケーションデータ構成に影響

アプリケーションのデータ構成について、共有ストレージを利用するように設定(改修)する必要があります。

共有ストレージが単一障害点に

ストレージが1つであるため、共有ストレージが単一障害点とならないように、ハードウェア構成を適切に構成する必要があります。

「レプリケーション」構成

「レプリケーション」構成とは

「レプリケーション」構成とは、サーバA(アクティブ)とサーバB(スタンバイ)で、それぞれのローカルストレージを利用し、レプリケーションによりデータ同期を行う構成です。

それぞれのローカルディスクをレプリケーションすることで、ミラーボリュームを作成し、仮想的な共有ディスクとして扱います。

サーバA(アクティブ)に障害が発生して、サーバB(スタンバイ)に処理が切り替わった場合、サーバBはサーバAからレプリケーション同期されている、サーバBのローカルストレージにアクセスします。

「レプリケーション」構成のメリット

低コスト

ローカルストレージを使用し、高額な外部ストレージを用意する必要はないため、安価にHAクラスタを構築できます。

シンプルに導入可能

共有ストレージ構成とは異なり、ハードウェア構成がシンプルであるため、導入しやすいメリットがあります。

ディザスタリカバリ対応

共有ストレージではないため、遠隔地へのレプリケーション(フェイルオーバー)が可能です。

クラウド内や遠隔地サーバに対してレプリケーションを行うことで、ディザスタリカバリサイトを構築できます。

参考元サイト

③DRBDによるPostgreSQL用HAクラスタ構築

DRBDを利用して、オープンソースDB「PostgreSQL」をHAクラスタ化する方法についてまとめられているサイトを紹介します。

DRBD+PacemakerでのPostgreSQL高可用性構成構築方法

ポイント

「オープンソースカンファレンス2014」で発表されたスライド資料です。

「DRBD」と「Pacemaker」を利用して、PostgreSQLのHAクラスタを構築するための手順について細かくまとめられています。

「Pacemaker」とは、オープンソースソフトウェアとして開発されている、HAクラスタソフトウェアです。ネットワークで接続された複数のサーバコンピュータを連携させ、アクティブサーバに故障を検知したら、スタンバイサーバにフェイルオーバーさせるクラスタ管理機能を提供します。

テーマ

■高可用性とは
■PostgreSQLのHA構成
■Pacemakerとは
■DRBDとは
■構成例(PostgreSQL+Pacemaker+DRBD)
■インストール
→PostgreSQLのインストール
→Linux-HA Japanリポジトリのダウンロード
→Linux-HA Japanリポジトリの設定
→PacemakerとHeartbeatパッケージのインストール
→ELRepoリポジトリの設定
→DRBDパッケージのインストール
■OSの設定
■Heartbeatの設定
■DRBDの設定
→DRBD用パーティションの準備
→DRBDリソースの設定
→DRBDリソースの起動とデータの初期同期
→ファイルシステムの作成とマウント
■PostgreSQLの設定
■Pacemakerの設定
■デモ

ページリンク

→オープンソースカンファレンス2014 Nagoya →【入門】PostgreSQL+Pacemaker+DRBDで高可用性構成を構築してみよう

DRBDとPostgreSQLレプリケーション—PacemakerのMaster/Slave構成の基本と事例紹介

ポイント

2014年3月に開催された「Open Source Conference 2014」での発表スライドにて、Pacemaker側からの視点を中心として、「DRBDによるPostgreSQLレプリケーション」について解説されています。

「DRBD+PostgreSQLレプリケーション構成」についてのメリットとデメリットを踏まえて、「PostgreSQLレプリケーション構成」と「フェイルオーバー時の昇格の仕組み」について紹介されています。

また、レプリケーションLANに障害が発生した事例と対策方法についても参照できます。

テーマ

■各アプリケーションの概要
→Pacemakerとは
→共有ディスクを使用した構成について
→DRBD、PostgreSQLレプリケーションを使用した構成
→DRBD概要
→PostgreSQL レプリケーション概要
→Pacemaker+DRBD / PostgreSQLレプリケーション構成
■Master Slave リソースと従来のリソースとの違い
→リソースの種類
→Primitiveリソースとcloneリソース(共有ディスク構成での例)
→MSリソース(Pacemaker+DRBDの例)
→MSリソース(Pacemaker+ PostgreSQLレプリケーション)
■Masterに昇格するノードの選定方法
■障害事例
→レプリケーションLAN障害(DRBD)
→レプリケーションLAN障害(PostgreSQLレプリケーション)
→インターコネクトLANとレプリケーションLAN障害(DRBD)
■まとめ

ページリンク

→OSC2014 Tokyo →PacemakerのMaster/Slave構成の基本と事例紹介(DRBD、PostgreSQLレプリケーション)

OSS+SBクラウドを活用し、重要業務システムをバックアップ ~「止められないシステム」「消えてはいけないデータ」をアクシデントから守る方法~

もはや大企業だけではなくなった。「止められないシステム」「消えてはいけない」データを持つ会社。

日々の販売売上データ、重要な財務データ、法的保存義務データ、その他社外秘機密データ…
大手企業だけではなく、中小企業でも業務の中心はコンピュータとなり、さらに「止まっては困るシステム」「失っては困るデータ」を抱える情シスの方も非常に多くなってきています。ただ、現実は予算の壁、役員や他の社員の理解不足、何より情シスの方自身の情報・理解不足などにより「したくてもできない」「万全ではない」というケースが多いのではないでしょうか。

リスクが毎年大きくなる?身近に発生する基幹システム停止やデータ消失リスク

東日本大震災を契機とした地殻変動による、各地で頻発している震度5以上の大地震や、異常気象に起因する、九州北部や2年前の茨城地区を中心としたゲリラ豪雨による洪水被害など、規模の大小はあれど、現在各地で毎年複数発生しています。また、それだけでなく、火災やその消火活動による水濡れによる二次被害や落雷や停電による被害など、近年は基幹システムやデータ消失のリスクは高まっています。また、南海トラフ巨大地震は30年以内に70%の確率で発生すると言われており、大災害に対しても俄然リスクが大きいと考えられます。このような災害による情報システムのダウンは、当然想定しておくべきリスクです。

※最近発生した主な災害

2017年07月 九州北部豪雨
2017年06月 長野県南部地震(M5.7)
2017年06月 豊後水道地震(M5.0)…など

OSS+クラウドを活用した低コストDRサイトの構築を考える。

しかし、多くの企業様でDRサイトを構築する際の一番の壁は「コスト」であったと思います。
従来、DRサイトを準備することは高額な投資が必要でした。例えば遠隔地のデータセンターを契約し、高価なストレージやデータ同期のためのツールを購入しなければなりませんでした。
ただ、現在では、クラウド上にDRサイトを構築し、オープンソースを活用してデータを同期することによって、コストを軽減し、災害にも強いDRサイトを構築することが可能になりました。

是非ともこのセミナーを参照にして頂き、コスパと災害時での可用性の高いDRサイト構築を考えてみませんか。
今回は「クラウド」と「オープンソース」の具体例として、ソフトバンクグループのSBクラウドと、オープンソースのDRBDを活用したDRサイトの構築について、解説します。
また、併せてNECネクサソリューションズのセキュアで冗長性もあり、数多くの構築実績を持つ高品質VPN「Clovernet」のご紹介も致します。

OSS+SBクラウドを活用し、重要業務システムをバックアップ ~「止められないシステム」「消えてはいけないデータ」をアクシデントから守る方法

開催概要

日時: 2017 年 09 月 28 日(木) 18:00 ~ 20:30

場所: ソフトバンク株式会社 セミナールーム

(ヴィラフォンテーヌ東京汐留 様の入っている建物でございます)※14Fエレベーターを降りて左手つきあたりまでお進みください。
(東京都港区東新橋1-9-2 汐留住友ビル14F)

費用: 無料

 

プログラム

17:30~18:00 受付

18:00~18:05 オープニング

18:05~18:20 「止められないシステム」「消えてはいけないデータ」をアクシデントから守る

株式会社サードウェア 櫻井 健象

「近年業務のコンピュータ依存が加速し、中小企業でも『止められないシステム』『消えてはいけないデータ』を複数所持する環境となりました。
さらに、「地殻変動の活性化」、「亜熱帯型気候化」という日本を取り巻く自然環境の激変、そしてそれに伴う激甚災害の多発により、DRサイトを始めとした事業継続の為のバックアップが必須という環境に変化しております。
今回は、上記の状況を再度取り纏めをして、バックアップの必要性を確認し、「クラウド」「DRBD」「VPN」をキーワードとしてコストパフォーマンスの良いDRサイト・バックアップサイトを構築するヒントを探っていきます」
 

18:20~18:50 DR環境も必要なときに作る。クラウド環境で再現性のあるシステムを作る

SBクラウド株式会社 森 真也

クラウド環境であれば、常にDR環境を稼働させておく必要もありません。DR環境が必要になったときに構築することができます。HashiCorp社が提供するTerraformやPackerといったオープンソースソフトウェアを使いながら、再現性のあるシステムの構築について紹介します。
 

18:50~19:20 DRBDによるDRサイトとのデータ同期

株式会社サードウェア 黒木 博

DRBD Proxyは、数十~数百km離れた拠点間でテラバイト級の大量データをリアルタイムにレプリケートできるソフトウェアで、オンプレミス~クラウドのデータ同期が可能です。本セッションでは、DRBD Proxyの紹介と活用事例について解説します。

19:20~19:30 休憩

19:30~20:00 オンプレとDRサイトとをセキュアに接続する

NECネクサソリューションズ株式会社 ネットワークサービス事業部 マネージャー 内海 真一(うつみ しんいち)

企業システムのクラウド利用が進む中、自社とクラウドをつなぐ通信環境の重要度が高まっています。「Clovernet」は、ネットワークのワンストップサービスとしてNECグループが提供する安心のサービスです。本セッションでは、「Clovernet」を活用してクラウドと自社データセンターとをセキュア接続する方法について解説します。
 

20:00~20:30 ディスカッション(自然災害に備えるために)

 

主催

SBクラウド株式会社

協力

株式会社サードウェア
NECネクサソリューションズ株式会社
オープンソース活用研究所

※ご記載いただいた内容は、株式会社オープンソース活用研究所にて収集し、オープンソース活用研究所 および主催・共催・協賛・講演企業各社にて共有させていただきます。ご記載を頂いた個人情報は株式会社オープンソース活用研究所および主催・共催・協賛・講演企業にて厳重に管理し、サービス、製品、セミナー、イベントなどのご案内に使用させていただきます。ご記載いただいた個人情報は、法律に基づいた、警察等の行政機関や司法機関からの要請があった場合を除き、第三者には提供いたしません。
〔お問合せ先 及び 個人情報保護管理者〕 株式会社オープンソース活用研究所 個人情報保護管理者 連絡先:03-5990-5417

※競合もしくは競合になる可能性のある事業者様や、個人としての方は、当社判断によりご遠慮頂く場合がございます。予めご了承下さい。

OSS+SBクラウドを活用し、重要業務システムをバックアップ ~「止められないシステム」「消えてはいけないデータ」をアクシデントから守る方法

DRBDでの法人向けクラウドデータバックアップ

「クラウドデータバックアップ」と「DRBDでのマルチクラウドバックアップ」について紹介します。

目次

第1回 クラウドデータバックアップの「メリット」と「デメリット」

  • クラウドバックアップの「メリット」
  • →災害対策
  • →対障害性
  • →運用性
  • →複数拠点からの一元バックアップ
  • →コスト(初期構築費用)
  • →迅速構築
  • →拡張性
  • →コスト(運用費用)
  • →セキュリティ対策
  • クラウドバックアップの「デメリット」
  • →バックアップ(データ復旧)時間
  • →クラウド障害
  • →WAN障害
  • →カスタマイズ性
  • →セキュリティリスク
  • 参考サイト

第2回 DRBDでの法人向けクラウドデータバックアップ

  • 異種クラウド間データ連携を行えるDRBD
  • 「シングルクラウドリスク」と「DRBDによるマルチクラウドバックアップのメリット」
  • 「AWSの大規模障害」と「マルチクラウド」の重要性
  • DRBDを活用したAzure上でのデータ保護
  • DRBDで実現するハイブリッドクラウド4ノードクラスタ

第1回 クラウドデータバックアップの「メリット」と「デメリット」

企業データのバックアップ方法として、「クラウドでのオンラインストレージバックアップ」の利用が増えてきています。

クラウドバックアップの「メリット」と「デメリット」について、主なポイントについて紹介します。

クラウドバックアップの「メリット」

「バックアップサーバの自社設置」と「クラウドストレージ利用」の対比から、クラウドバックアップの「メリット」について紹介します。

災害対策

クラウドバックアップは、大規模災害発生時の災害対策(ディザスタリカバリ)の1つとして活用できます。

遠隔地にあるクラウドサーバにデータをバックアップしておくことにより、データの消失を防ぐことが可能です。

近年ではリスクヘッジを意識してクラウドバックアップを採用する企業も増えています。

対障害性

ローカルに設置してあるファイルサーバ/NASの場合は、突然の故障などにより、サービスが停止してしまうことがあります。

クラウドの場合、複数の冗長化などの仕組みにより、サービス停止の可能性はかなり低く抑えられています。

運用性

クラウドを利用する場合、サーバの運用/管理はベンダーが行います。バックアップ処理の自動化設定も可能です。

そのため、社内ネットワーク内にバックアップ用サーバを設置する場合に比べ、情報システム部の業務負担軽減が可能です。

情報システム部は、本来の業務(企業のIT戦略)に対してより集中でき、業務効率化だけではなく、企業の利益に貢献することも可能になります。

複数拠点からの一元バックアップ

クラウドは、オンラインで利用できる性質上、どこからでもバックアップストレージにアクセスできるメリットがあります。

今までは、各拠点単位でバックアップを行っていましたが、全拠点のバックアップを一元的に管理し、運用効率を上げることも可能です。

コスト(初期構築費用)

自社でバックアップサーバを構築する場合、「サーバ費用」「ネットワーク構築費用」「セットアップ費用」などの初期構築費用が必要です。

クラウドバックアップの場合は、構築費用がほとんどかからない点が大きなメリットです。

また、バックアップ容量などからコスト計画が立てやすく、以降のランニングコストについての視覚化を容易に行えるため、ビジネス向きともいえます。

迅速構築

バックアップサーバを自社で設置する場合には、「ストレージ容量予測」「サーバ機器調達/構築」「ネットワーク調整」などの作業が必要であるため、サービス開始までに時間を必要とします。

クラウドストレージの場合は、即座に、スモールスタートで、バックアップサービスを開始できます。

拡張性

自社サーバの場合、バックアップ用ストレージの増強は、そのたびに、コストと工数が発生します。

クラウドストレージの場合は、いつでもストレージ増減が可能で、状況に合わせて、フレキシブルに対応できます。当初は最小限の容量で契約し、不足するごとに随時増やしていくことも可能です。

コスト(運用費用)

長期間の運用として考えると、自社サーバ設置は、コストが低くなるように思えるようでもあります。しかし、運用中の「サーバ機器故障」「ストレージ容量追加」などの突発的追加コストが必要になる場合もあります。

クラウドストレージの運用コストは、使用した分だけの料金が発生します。バックアップ容量が小さい場合や、利用状況が変化しやすい場合には、クラウドバックアップのほうがコストが小さくなります。

セキュリティ対策

自社サーバの場合、社内ネットワーク内の通信は全面的に信用されている設定が行われている場合が多くあります。このような環境の場合、標的型攻撃などで社内ネットワークに侵入されてしまうと、バックアップデータは危機に晒されてしまいます。

クラウドバックアップサービスの場合、データセンターでサーバ/セキュリティのプロフェッショナルが運用しています。新しいタイプのシステム攻撃に対しても、社内サーバ運用より強固に防衛できる可能性が高まります。「ID+パスワード」認証だけではなく、より強固な認証の仕組みを利用して、認証セキュリティを向上させることも可能です。

クラウドバックアップの「デメリット」

クラウドバックアップは万能というわけではありません。主なデメリットについて紹介します。

バックアップ(データ復旧)時間

クラウドストレージの場合、バックアップデータ量が多いと、自社システムとクラウド間のネットワーク帯域の制限により、バックアップ処理(データ復旧処理)のためのデータ転送に時間がかかる問題があります。

主要クラウドベンダーでは、高速な専用回線サービスを提供しています。このサービスを利用すれば、社内サーバとほぼ同様なスピードを確保することも可能ですが、コストも上昇します。

必要とするバックアップデータ量に合わせて、ネットワークスピードについても検討する必要があります。

クラウド障害

可用性が高いとされているクラウドサービスですが完璧ということはありません。クラウドに障害が発生した場合は、クラウドストレージへアクセスできないため、バックアップやデータ復旧を行なえません。各種冗長化により、すぐに復旧することが期待されますが、クラウドサービスが復旧するまで待ち続けることしかできなくなります。ベンダーに対して、クラウド障害発生時の対応について確認しておくことも重要です。

クラウドストレージは、多数の冗長化がなされていますが、バックアップデータの消失(一部消失/全消失)という可能性もありえます。

バックアップ先を1つのクラウドベンダーに集中させて依存性が高まりすぎると、自社システム全体の可用性が低下します。バックアップ先を、ローカルや複数ベンダーに分散させるなどの対応が必要です。

WAN障害

大規模なWAN障害が発生した場合、そもそも、クラウドサイト自体へアクセスできません。WAN復旧まで、データバックアップ(データリストア)などの処理は一切行なえません。

クラウド専用線の導入などの検討も必要です。

カスタマイズ性

クラウドストレージは、サービスとしてパッケージ化されているため、細かなカスタマイズを行いにくい傾向にあります。

クラウドストレージサービス選定時には、各サービスが提供する「基本機能」「基本性能」「可用性」「セキュリティ機能」「オプション機能」「コスト」などを考慮して、自社の最低要件をクリアしているのかについての確認が必要です。「自社にとって必要な機能を備えているのか?」「自社のディザスタリカバリ要件にマッチしているのか?」などの検討が必要です。

セキュリティリスク

「自社サーバのほうがセキュリティリスクは低い」と言われることもありますが、情報漏洩などのセキュリティ事案は、自社社員やパートナーによる過失や内部犯行が多くを占めているというデータもあります。

クラウドバックアップサービスについても同様です。「ID+パスワード+その他追加認証」により、徹底したID管理(特権ID管理)が求められます。

参考サイト

第2回 DRBDでの法人向けクラウドデータバックアップ

オープンソースの分散ストレージシステム「DRBD」を使用すると、「クラウド環境に対するデータバックアップ」および「クラウド間データバックアップ」も行えます。

DRBDを使用したクラウドデータバックアップについて紹介/解説している情報を紹介します。

異種クラウド間データ連携を行えるDRBD

ポイント

DRBDのマルチクラウド対応機能の概要について紹介しています。

テーマ

  • 適材適所でクラウドを使い分けるマルチクラウド
  • DRBDは異種クラウド間データ連携を促進
  • →汎用性
  • →ブロックデバイスレベルの動作
  • →多様な同期方法
  • →きわめて高速なデータ同期
  • →大容量データをサポート
  • →ベンダーロックイン・フリー
  • さまざまなクラウドサービスをサポート
  • →IBM SoftLayer
  • →Microsoft Azure
  • →Amazon EC2

ページリンク

→サイオステクノロジー →マルチクラウドのデータ連携

「シングルクラウドリスク」と「DRBDによるマルチクラウドバックアップのメリット」

ポイント

シングルクラウド依存環境についてのリスクと、DRBDを利用したマルチクラウドバックアップのメリットについて紹介しています。

テーマ

  • シングルクラウドでのリスク
  • →リスク(1) データ消失
  • →リスク(2) データ復旧時間
  • →大規模データ消失事例
  • マルチクラウドにデータをバックアップしておくメリット
  • →複数のクラウド内にバックアップ
  • DRBDでのバックアップ
  • →「DRBD」とは
  • →「DRBD」導入事例
  • まとめ

ページリンク

→サイオステクノロジー(DRBD) →AWSやAzureのデータをバックアップする方法

「AWSの大規模障害」と「マルチクラウド」の重要性

ポイント

2017年3月1日に発生した、AWS(Amazon Web Services)の「Amazon Simple Storage Service(S3)」での大規模な障害について解説しています。

複数クラウド間(AWSとAzureなど)でデータバックアップ連携を行う重要性について説明しています。

ページリンク

→サイオステクノロジー(DRBD) →2017年3月1日のAWS障害の原因と、その対策

DRBDを活用したAzure上でのデータ保護

ポイント

「DRBD」+「DRBD Proxy」による災害対策システムについての解説です。

「ローカルDC(データセンター)」と「Azure」における災害対策用システム構築について解説されています。

テーマ

  • データ保護
  • RPOとRTO
  • →RPO (目標復旧時点)
  • →RTO (目的復旧時間)
  • →障害復旧からの流れ (バックアップからの復旧の例)
  • 災害対策
  • →今すでに行われている災害対策は?
  • →災害対策にテープを使用した際の問題点
  • DRBD/DRBD Proxyによる災害対策システム
  • →目的
  • →基本構成
  • →DRBDとは?
  • →DRBD Proxyとは?
  • →障害発生時
  • →サービスダウン時間の比較
  • →DRBD/DRBD Proxyのメリット
  • 事例
  • →事例1 株式会社アイル様
  • →事例2 建設設計コンサルタント会社様
  • DRBD/DRBD Proxy注意点

ページリンク

→SlideShare →DRBDを活用したAzure上でのデータ保護

DRBDで実現するハイブリッドクラウド4ノードクラスタ

ポイント

DRBDでの「ハイブリッドクラウド4ノードクラスタ」構築について紹介しています。

テーマ

  • 1.HAクラスタとDRシステムの必要性
  • →HAクラスタの高可用性
  • →即時復旧できる災害対策システム
  • →コスト圧縮
  • →クラウド利用でハードルを下げる
  • →紹介する構成
  • 2.使用ソフトの機能と構成の説明
  • →チケットを使用して系切り替え
  • →スタックデバイスの同期でサイト間同期
  • →通常時
  • →メインサイト壊滅
  • →DRサイトのD2がフリーズ
  • 3.構築の流れ
  • →1.メインサイト構築
  • →2.DRサイト構築
  • →3.各パッケージインストール
  • →4.DRBD設定
  • →5.Pacemaker、Corosync設定
  • →6.スタックリソース作成
  • →7.リソース設定
  • 4.遠距離レプリケーションを速くする方法
  • →WANでの同期には限界がある
  • →遠距離でのDRBD同期を速くするには?
  • 事例
  • →アイル様事例
  • →350テラバイトのファイルサーバ事例

ページリンク

→SlideShare →OSSで実現するハイブリッドクラウド4ノードクラスタ ~Pacemakerのチケット機能で災害対策~

【講演資料を公開!】8/29『OSS+SBクラウドを活用し、重要業務システムをバックアップ ~「止められないシステム」「消えてはいけないデータ」をアクシデントから守る方法』

2017 年 08 月 29 日(火)14:00 ~ 16:15 国際ファッションセンター Room108 にて

OSS+SBクラウドを活用し、重要業務システムをバックアップ ~「止められないシステム」「消えてはいけないデータ」をアクシデントから守る方法

と題したセミナーを開催しました。

当日は、猛暑の中、多くの熱心な方々がご来場くださいまして
お陰さまで大盛況のうちに終了することができました。

 

また、来場者アンケートでは、下記のコメントを頂戴しました。


・必要な情報が得られたため、概ね満足、DRBDーProxyに関する情報(動作概要、チューニング方法、事例)が取得できた点が良かった。大変参考になった。
・事例紹介は、参考になりました。
・メモ用に資料が完全でなくても良いので、配布頂けたら、よく理解が深まったかと思います。

 

ありがとうございました。
今回ご要望にお答えし3講演+ご挨拶の資料、全4点を、下記の開催報告ページに早速公開しました。

majisemi.com/e/c/3ware-20170829

当日の復習に是非お役立てください!
また、ご来場が叶わなかった方、是非ご参考までにご覧ください。

★当日の資料で、不明点・もっとココについて詳しく知りたい!等ございましたら
資料に記載の連絡先又は弊社までお問い合わせをお願いいたします。

「止められないシステム」「消えてはいけないデータ」をアクシデントから守る。OSS+SBクラウドを活用した低コストDRサイトの構築

もはや大企業だけではなくなった。「止められないシステム」「消えてはいけない」データを持つ会社。

日々の販売売上データ、重要な財務データ、法的保存義務データ、その他社外秘機密データ…
大手企業だけではなく、中小企業でも業務の中心はコンピュータとなり、さらに「止まっては困るシステム」「失っては困るデータ」を抱える情シスの方も非常に多くなってきています。ただ、現実は予算の壁、役員や他の社員の理解不足、何より情シスの方自身の情報・理解不足などにより「したくてもできない」「万全ではない」というケースが多いのではないでしょうか。

リスクが毎年大きくなる?身近に発生する基幹システム停止やデータ消失リスク

東日本大震災を契機とした地殻変動による、各地で頻発している震度5以上の大地震や、異常気象に起因する、九州北部や2年前の茨城地区を中心としたゲリラ豪雨による洪水被害など、規模の大小はあれど、現在各地で毎年複数発生しております。また、それだけでなく、火災やその消火活動による水濡れによる二次被害や落雷や停電による被害など、近年は基幹システムやデータ消失のリスクは高まっています。また、南海トラフ巨大地震は30年以内に70%の確率で発生すると言われており、大災害に対しても俄然リスクが大きいと考えられます。このような災害による情報システムのダウンは、当然想定しておくべきリスクです。

※最近発生した主な災害

2017年07月 九州北部豪雨
2017年06月 長野県南部地震(M5.7)
2017年06月 豊後水道地震(M5.0)…など

OSS+クラウドを活用した低コストDRサイトの構築を考える。

しかし、多くの企業様でDRサイトを構築する際の一番の壁は「コスト」であったと思います。
従来、DRサイトを準備することは高額な投資が必要でした。例えば遠隔地のデータセンターを契約し、高価なストレージやデータ同期のためのツールを購入しなければなりませんでした。
ただ、現在では、クラウド上にDRサイトを構築し、オープンソースを活用してデータを同期することによって、コストを軽減し、災害にも強いDRサイトを構築することが可能になりました。是非ともこのセミナーを参照にして頂き、コスパと災害時での可用性の高いDRサイト構築を考えてみませんか。
今回は「クラウド」と「オープンソース」の具体例として、ソフトバンクグループのSBクラウドと、オープンソースのDRBDを活用したDRサイトの構築について、解説します。
また、併せてNECネクサソリューションズのセキュアで冗長性もあり、数多くの構築実績を持つ高品質VPN「Clovernet」のご紹介も致します。

 

「止められないシステム」「消えてはいけないデータ」をアクシデントから守る。OSS+SBクラウドを活用した低コストDRサイトの構築

開催概要

日時: 2017 年 08 月 29 日(火)14:00 ~ 16:10

場所: 国際ファッションセンター Room108(墨田区)

費用: 無料

 

プログラム

13:30~14:00 受付

14:00~14:10 ご挨拶

14:10~14:40 SBクラウドによる、低価格DRサイト構築

SBクラウド株式会社(講演者調整中)

本セッションでは、DRサイトとしてなぜSBクラウドが最適なのか、SBクラウドのサービス内容も合わせてご紹介します。

 

14:40~15:10 DRBDによるDRサイトとのデータ同期

株式会社サードウェア 黒木 博

DRBD Proxyは、数十~数百km離れた拠点間でテラバイト級の大量データをリアルタイムにレプリケートできるソフトウェアで、オンプレミス~クラウドのデータ同期が可能です。本セッションでは、DRBD Proxyの紹介と活用事例について解説します。

 

15:10~15:40 オンプレとDRサイトとをセキュアに接続する(仮)

NECネクサソリューションズ株式会社(講演者調整中)

企業システムのクラウド利用が進む中、自社とクラウドをつなぐ通信環境の重要度が高まっています。「Clovernet」は、ネットワークのワンストップサービスとしてNECグループが提供する安心のサービスです。本セッションでは、「Clovernet」を活用してクラウドと自社データセンターとをセキュア接続する方法について解説します。

 

15:40~16:10 ディスカッション(自然災害に備えるために)

 

主催

株式会社サードウェア

協力

SBクラウド株式会社
NECネクサソリューションズ株式会社
オープンソース活用研究所

 

※ご記載いただいた内容は、株式会社オープンソース活用研究所にて収集し、オープンソース活用研究所 および主催・共催・協賛・講演企業各社にて共有させていただきます。ご記載を頂いた個人情報は株式会社オープンソース活用研究所および主催・共催・協賛・講演企業にて厳重に管理し、サービス、製品、セミナー、イベントなどのご案内に使用させていただきます。ご記載いただいた個人情報は、法律に基づいた、警察等の行政機関や司法機関からの要請があった場合を除き、第三者には提供いたしません。
〔お問合せ先 及び 個人情報保護管理者〕 株式会社オープンソース活用研究所 個人情報保護管理者 連絡先:03-5990-5417

※競合もしくは競合になる可能性のある事業者様や、個人としての方は、当社判断によりご遠慮頂く場合がございます。予めご了承下さい。

「止められないシステム」「消えてはいけないデータ」をアクシデントから守る。OSS+SBクラウドを活用した低コストDRサイトの構築