第13章 DRBDとOCFS2の使用

目次

OCFS2 の基礎
OCFS2用のDRBDリソースの作成
OCFS2ファイルシステムの作成
PacemakerによるOCFS2の管理
PacemakerにデュアルプライマリDRBDリソースを追加する
PacemakerにOCFS2の管理機能を追加する
PacemakerにOCFS2ファイルシステムを追加する
OCFS2ファイルシステムを管理するPacemakerの制約の追加
Pacemakerを使わないOCFS2管理
OCFS2をサポートするようにクラスタを設定する
OCFS2ファイルシステムの使用

この章では、共有Oracle Cluster File Systemバージョン2 (OCFS2)を格納するブロックデバイスとしてDRBDリソースを設定する方法を説明します。

OCFS2 の基礎

Oracle Cluster File Systemバージョン2 (OCFS2)は、 Oracle Corporationが開発した同時アクセス共有ストレージファイルシステムです。前バージョンのOCFSはOracleデータベースペイロード専用に設計されていましたが、 OCFS2はほとんどのPOSIXセマンティクスを実装する汎用ファイルシステムです。OCFS2の最も一般的なユースケースは、もちろんOracle Real Application Cluster (RAC)ですが、 OCFS2は負荷分散NFSクラスタなどでも使用できます。

本来、CFS2は従来の共有ストレージデバイス用に設計されたものですが、 デュアルプライマリDRBDにも問題なく配備できます。OCFS2が通常実行されるSANデバイスとは異なり、 DRBDはローカルストレージに対して読み書きを行うため、ファイルシステムからデータを読み取るアプリケーションの読み取り待ち時間が短縮できるというメリットがあります。さらに、DRBDの場合は、単一のファイルシステムイメージを単に共有するのではなく、各ファイルシステムイメージにさらにコピーを追加するため、 OCFS2に冗長性が加わります。

他の共有クラスタファイルシステム(GFSなど)と同様に、 OCFS2では複数のノードが読み取り/ 書きみモードで同じストレージデバイスに同時にアクセスできます。データが破損するおそれはありません。これには、クラスタノードからの同時アクセスを管理するDLM (Distributed Lock Manager)が使用されます。DLM自体は、システムに存在する実際のOCFS2ファイルシステムとは別個の仮想ファイルシステム(ocfs2_dlmfs)を使用します。

OCFS2は組み込みクラスタ通信層を使用して、クラスタメンバシップおよびファイルシステムのマウントとマウント解除操作を管理したり、これらのタスクをPacemaker クラスタインフラストラクチャに委ねることができます。

OCFS2は、SUSE Linux Enterprise Server (OCFS2が主にサポートされる共有クラスタファイルシステム)、 CentOS、Debian GNU/LinuxおよびUbuntu Server Editionで入手できます。また、OracleはRed Hat Enterprise Linux (RHEL)用のパッケージも提供しています。この章の説明は、SUSE Linux Enterprise Serverシステムで OCFS2を実行することを前提としています。